名詞としての使い方
指示詞は「く-、う-、か-」にもの、人を表す「-い」、場所を表す「-ま」をつけて作ります。
〇「く-系列」、「う-系列」、「か‐系列」の指示詞は、それぞれ共通語「こ-」、「そ-」、「あ-」に当たりますが、実際には「く-系列」「う-系列」はどちらも話者の近くにあるものを指すことができ、共通語の「こ-」「そ-」のような使い分けはありません。
〇共通語では実際には現場にはないけれど、話のなかに出たものは「そ-」でいうのが普通ですが、この用法は「う-系列」にもあります。
〇「くい(これ、この人)」「うい(それ、その人)」「かい(あれ、あの人)」をトピック形(「~は」)にすると、「くりゃー(これは、この人は)」「うりゃー(それは、その人は)」「かりゃー(あれは、あの人は)」あるいは「くらー」「うらー」「からー」となります。
〇「くい」「うい」「かい」の複数形は、「くいた(これら、この人たち))」「ういた(それら、その人たち)」「かいた(あれら、あの人たち)」となります。このほかに「くぬきゃ」「うぬきゃ」「かぬきゃ」がありますが、こちらは人の複数に使います。
例
1.くりゃー たくぼしーしー。
(これは 田窪先生です)
2.くまー たくぼしーしー。
(こちらは 田窪先生です)
3.うぬきゃー すかまー なうゆどぅ ひー うらまいば。
(その人たち(お孫さんのこと)は 仕事は なにを なさっているんですか)
名詞を修飾するとき
名詞を修飾するときは次の形を使います。
例
1.っゔぁー くぬ っぞぅぬ なーゆぎゃー っしーどぅーな
(あなたは この 魚の 名前を 知っていますか)
2.うぬ はだんな がっこんかい いかだ あそぅびばかーい うた。
(その ころは 学校に いかずに、あそんでばかり いた)
〇名詞を修飾するときは「かんちぬ(このような)」、「あんちぬ(そのような、あのような)」という形式もあります
副詞として使うとき
副詞にするときは次のようになります。
例
1.かんち っぞぅみぎ ずんな ちゅっふぃー ふぃーさまい やぐみ すでぃがほう。
(このように 素敵な 服を 作って 下さり たいへん ありがとうございます)