先日、下記の記事をUPしたところ、
島の「干潟の幸」 | ことばのミュージアム (ninjal.ac.jp)
話者の方からたくさん追加情報をいただいたのでご紹介します。
まず、最初は記事のタイトルを「浜の幸」としていたのですが
「浜には食べられるものは何もないよ。砂だけw」ということで、
「干潟の幸」に改めました。
でも「浜にいる生き物もいるよ」と紹介してくれたのが「ハマグイ」と「ハマガン」です。
「浜」にいる生き物
◎「ハマグイ」(和名:スナホリガニ)
「ハマグイ」は、波打ち際くらいの砂を手で掘ると出てくるカニ。
語源は「ハマグリ」と考えられますが、ハマグリとは無関係のカニの名前だそうです。
「スナホリガニ」(「ぼうずコンニャクの市場魚貝図鑑」HPより)
https://www.zukan-bouz.com/syu/%E3%82%B9%E3%83%8A%E3%83%9B%E3%83%AA%E3%82%AC%E3%83%8B
沖縄などでは唐揚げにして食べるけども、沖永良部では汗だくになって掘ってもそんなには出てこない。
出てきてもすごい勢いで、後ずさりで潜っていく、逃げ足の速いカニだそうです。
沖永良部では”食用というより、子供の遊び相手だった”とのことでした。
◎「ハマガン」(和名:スナガニ)
もう1つは「ハマガン」。直訳は「浜のカニ」です。
ハマガンは、波打ち際からちょっと上がって、ちょうど波がかからない程度のところにいます。
Wikipediaより https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%8A%E3%82%AC%E3%83%8B
直径4センチくらいの穴を、ネズミのように掘って、潜っているそうです。
ハマガンは非常にすばしっこくて、子供が追いかけると息切れを起こすくらいに早い。
こちらも、大体とれても2,3匹程度なので「食用というより子供の遊び相手」ということでした。
♪しまむにを聞いてみよう
・ハマガン(浜のカニ)
“海”の名前
浜辺はもう細かく分かれていて、それぞれの場所に住んでいる生き物が異なります。
これは、島で「ショーミチ」「ウシュミチ」と呼ばれる海の、干潮時の写真です。
浜辺の名前(佐々木隆さん提供)
外側の海は「ファー」と言い、ここでは素潜りで魚を採ることができます。
海の波が、岩にぶつかって波が砕けるところを「ヲゥリ」と言います。
「ヲゥリ」は「折れる」という意味だそうで、方言で「ナミヌ ヲゥリカタヌ ウトゥルシャヤー(波の折れ方がすごいね)」などと言うそうです。
ヲゥリより陸側の海は「ウチ」と言います。
その内側の、干潮で陸が出現するあたりを「ナーヒシドー」と言います。
ナーヒシドーには、記事で紹介したトゥビキラザ(和名:マガキガイ)やアッサイ(和名:イガイ)がいて、潮干狩りをしたり、海藻を採ったりすることが出来ます。
「ウチ(内海)」と「ファー(外海)」の間は「ワリ」と呼ばれており、釣りや貝拾いをすることが出来るそうです。
♪しまむにを聞いてみよう
・ファー(外側の海)
・ヲゥリ(波が折れるところ)
・ウチ(内海)
・ナーヒシドー(干潟)
・ワリ(内海と外海の間)